病害虫情報
奈良県病害虫防除所より「令和3年度病害虫情報第2号」
作物名:水稲 病害虫名:トビイロウンカ 対象地域:主に奈良県中山間地域
予察内容 発生時期:早い 発生量:多い
1.飛来状況
①5月17~18日の夜に、予察灯(桜井市)において、トビイロウンカの初誘殺が確認されました。
②多発した昨年(令和2年)よりも約1ヵ月早く、今後の多飛来につながる恐れがあります。
2.今後の予測
①今回の飛来により、すでに田植えが済んでいる中山間地域では、平年より早い8月に坪枯れが発生する可能性があります。
まだ田植えが済んでいない平坦地域では影響が無いと考えられますが、今後7月上旬まで断続的に飛来が続く場合は
平坦地域でも坪枯れが発生するおそれがあります。
②今回の飛来日から発育シミュレーションを実施したところ、
本田防除の防除適期(若齢幼虫期) 現時点(5/21現在)では 第一世代:6月中旬 第二世代:7月中旬 と予測されます。
ただし、今後の飛来と気温の推移によって防除適期は変動します。
③飛来波の規模が確定次第、改めて注意報を発表しますので、今後の情報にご注意下さい。
3.多飛来が確定した場合の防除方法
①田植え時にトリフルメゾピリムを含む箱粒剤(ゼクサロン/フルスロットル等)を処理した場合でも、7月中旬の第二世代幼虫に
対する防除を行って下さい。
②田植え時にトリフルメゾピリムを含む箱粒剤を処理していない場合は、7月の防除に加え、6月中旬に第一世代の若齢幼虫の
防除を行って下さい。
③トビイロウンカは株元に寄生しますので、出穂後は薬剤が届きにくくなります。また坪枯れの発生が始まった時には既に多発
していますので、防除は手遅れとなります。出穂前の7月における防除を適期に実施して下さい。
④トビイロウンカは薬剤抵抗性が発達していますので、使用する薬剤の選択には十分に注意して下さい。
主な防除薬剤
エクシードフロアブル/アルバリン粒剤 (収穫7日前まで)(使用回数3回以内)
エミリアフロアブル (収穫7日前まで)(使用回数2回以内)